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國分行政書士事務所 行政書士  國分 浩太郎さん
学生時代は、キャンパスでの思い出があまりないんですよと笑う。山頭火にあこがれて放浪の旅をしたり、北海道の牧場でアルバイトをしたり、ボランティア活動にのめり込んだり。社会に出てもハチャメチャな性格は直りませんでしたねといいながら、現在幅広い分野でコンサルティング活動を続け、この度行政書士の登録をしたという、國分さんにお話を伺いました。



●学生時代のゼミの教授から、お前は「意あまりて知たらず」だと言われたことがあるんです。意欲は認めるけれど、知恵がたりないと。今でもその言葉を噛み締めています。
----たくさんのビジネスを経験されてきましたね。
自分では余り意識したことはありませんが、そうですね、あらためて振り返ってみると色々と経験させてもらってきましたね(笑)。学校を卒業してまず工業薬品メーカーへ就職し、自動車部品メーカーへ転職しました。そして次は金融機関傘下のコンサルタント会社へ。ここで様々なニュービジネスを経験しました。計算センター業務とコンサルティング業務を主な仕事としていたのですが、レジャークラブやゴルフ場などのビジネスにも進出していったんです。で、その時に宅建の資格を取得しました。ほとんどの場合、私は最初の企画や立ち上げ段階までで、あとは実行部隊に引き継いでいきました。ちょっと変わったところでは、宝石の卸に携わったこともあります。中国人の大卸しから仕入れて、小売店への卸しです。その時は、自分でも地方のデパートや宝飾店廻りをしました。カバンにン億円の宝石類を入れて。さすがに少し緊張しました(笑)。




----情報産業研究会を設立して独立されたきっかけは?
その会社が倒産というか廃業してしまったので、やむなく独立したんです。計算センターがポッポッできはじめた頃だったので、情報処理産業の時代が来るのではないかと考えていました。それで1982年に独立と同時に「情報バンク」という仕組みを考え、冊子を発刊したんです。当時のソフト業界は小規模の会社が多く、仕事や人材の情報が余りありませんでしたから。優秀な人材がいるのに適した仕事をしていなかったり、少ない人数で仕事を抱え過ぎたり。ですから仕事と人材の情報交換をすれば、活性化につながると考えたんですね。その後、技術者向けの教材、マニュアルの編集・出版なども手がけました。当時は、ビジネス分野でも高額本というジャンルがありまして。日本能率協会等と提携してダイレクトメールでの直接販売です。あと、いくつかの社団法人とタイアップして企画出版を手がけました。やはり今思うと、バブルの恩恵を受けてたのですかね(笑)。

----編集や出版のノウハウはどこで習得されたのですか?
その金融関連のコンサルタント会社にいたときに、小冊子の編集・制作も担当していました。銀行などの窓口に置いてあるようなものです。「賢い住宅ローンの借方、返済の仕方」とか「中小企業経営」とか。最近では経費節減でほとんど見なくなりましたが、あの頃はカウンターに何種類も置いてあって。それを担当していたので、提携していた編集のプロに徹底的に鍛えられました。ものすごいペースで制作し、OEMでも販売したほどです。もちろん、自分でもその仕事が好きだったということもありますね。活字になる喜び、共同で作っていく過程、作り上げたときの達成感、それが評価されたときの充実感や反省。何でもそうですが、自分で興味のあることは覚えが早いですね。



●最近、幕末の15年間に興味があり、いろいろな本を読み漁っています。来年のNHKの大河ドラマ「新撰組」がどんな視点で展開するのか、非常な関心と危惧があります。
----若い経営者の会社を何社もサポートされていますね。
学生時代の先輩が顧問をしていた年商10億円位の会社がありまして、それまで日の出の勢いだったコンピュータ業界も大変な時期でした。会社が急におかしくなったので、経理を手伝ってくれと頼まれました。はじめは1,2年やれば良いかなという軽い気持ちで引き受けたのですが、とんでもない状態でした。いろいろ手を打ってなんとか持ち直しましたが、よくなってくると仕事が面白くなってしまって、総務や人事にも携わり結局、二足わらじで10年以上関わってしまいました。その間に、ソフト業界は若い技術者でも比較的簡単に独立できるので、何人かの会社設立のお手伝いしました。他の業種もありますが10社以上に関わり、今でもお付き合いしています。今で言うところの、インキベーション事業のようなものを構想しましたが実現できませんでした。二足わらじの限界ですね(笑)。

----人やビジネスを的確にマッチングさせることが大切ですね。
私の同級生達はほとんどがサラリーマンですが、そろそろ現役を退いていく友人が増えてきました。同窓会などで会う機会も多いのですが、みんなとても元気ですし、何かもったいない気がするんですね(笑)。世間的には専らその購買力を評価されていますが、彼らがもっと活躍できるような環境を作っていく必要があると思いますね。定年制の延長や中高年の雇用促進が根本的な解決にならないことぐらいは、厚労省の役人も十分わかっていると思うのですが。ご承知のように、80年代の瀕死のアメリカ経済を救ったのは、新生のベンチャー企業群です。中高年の経験と知恵を生かしてベンチャー企業をどんどん輩出するシステムを作ることが必要です。経産省と厚労省が縄張り争いをしている時代ではないと思うのです。日本丸が沈むか否かの瀬戸際なんですから。

----行政書士として新たなフィールドでどんな活躍をされるのでしょう?
これからの日本は、急激な高齢化・少子化社会をむかえ、非常に厳しい時代になります。国の活力を維持するためには、企業だけでなく行政もスリム化し、少しでも無駄を省くことが求められます。そのように行政に対して注文を付けるということは、逆に言えば個人としての自己責任も求められる社会ということではないでしょうか。規制緩和により士業の垣根が低くなり、仕事の枠が広がっていることもありますが、行政と国民のパイプ役といわれる行政書士の任務と役割がますます大きくなっていくと思うのです。大きなことは言えませんが、行政書士という仕事をとおして、少しでも住みやすい国、世界の人から尊敬される国になるよう、微力ながらお役に立ちたいというのが、正直なところです。




 國分 浩太郎プロフィール
宮城県仙台市生まれ。慶應義塾大学商学部を卒業。メーカー、コンサルタント会社を経て、1982年株式会社情報産業研究会を設立。ベンチャー企業の経営サポート、創業支援および育成に携わる。2003年8月日本行政書士会連合会登録、東京都行政書士会入会。(株)ハッチエッグ監査役