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株式会社 ハヤシ 代表取締役社長  林 征一郎さん
マーフィーの法則にヒントを得て、それを実践することで、いくつもの夢の実現を果たしてきた林さん。もちろん良いことだけが続いたわけではありません。でも、どんな時にもポジティブに考え、決して諦めない。そして、関わりのある周りの人たちに感謝しながら、自分の存在、ポジショニングを考えていく。林流ビジネスの秘訣や信条についてお話を伺いました。



●アメリカに行ってクレジットカードに出会い、その後、日本の銀行が採用してから、これはいけると美容業界に売り込んだんです。
----動物占いが、動き回るトラというだけあって随分とあちらこちらにいかれたようですね。
そうですね。父親の仕事の関係で、生まれたのが中国の長春です。8歳ぐらいで広島の実家に戻りました。その後、四国、大阪、東京とあちらこちらに引越しを繰り返してきました。でも動いているうちに色々なことを経験したり、見つけたりするんです。新しいところに住めば、そこにしかない風習や文化があります。それを自然に受け入れて、楽しむことができたので良かったんだと思います。早稲田大学を卒業してから山一證券へ就職して、順調に仕事をしていたのですが、29歳の時にどうしてもアメリカに行きたくなって。結婚したばかりの時です。でも、どうしても外の世界を見たくなった。1ドルが360円の時代でした。今行かないと一生後悔するような気がして、飛び出してしまいました。

----アメリカでビジネスのヒントを見つけたわけですね。
アメリカでは、カード社会がもう始まっていました。私は、現金が一番信用があると思っていましたが、そうではないんですね。信用調査があって、カードを持てる人は信用のある人。カードを持てない人は現金があっても信用が無い。価値観がひっくり返りましたね。しかもカードがカッコよく見えたんです(笑)。何となく日本でも流行るのかなと予感がしました。それからしばらくして、日本の銀行がキャッシュカードとして採用したんです。それで、美容業界にお客さまのメンバーズカードとして提案してみました。私はいつでも、一番大きなところに売り込みに行くんです。大手が採用してくれれば、裾野は自然に広がっていきますから。

----それで本格的にカードビジネスを展開していくわけですね。
当時、カードを製作できる印刷会社は、大手の数社だけでした。特殊印刷なので普通の印刷会社ではノウハウが無かったんです。色々と試行錯誤をして苦労しましたが、業績は良かったですね。ただすぐに競争相手が出てきたので、カードの裏に仕掛けを作って顧客管理システムを開発しました。その頃からバブルで景気が良くなってきました。私も車や自宅、自社ビルをはじめ、ゴルフの会員権やハワイに別荘を買って社員を連れていったりしていましたね。今から考えると馬鹿な事をしてたなと思いますが(笑)。山一證券の時にマーフィーの法則に出会って、それを実行していたのが良かったのでしょう。自分の欲しい物をイメージする。写真を飾ったり、絵に描いてみたりと本気でやり続けていましたから。自社ビルは、こんなビルがいいなと写真に撮ったビルとそっくりなのを建てることができたんです。ツキがある。そんな感じでしたね。ツキのリズムに乗っていたので、すべてが良い方向に進んだのだと思います。



●人と会うのが好きなので、営業が苦に思ったことはありませんね。飛込みだって、どんな人が待ってるんだろうと思うとワクワクしてきます。
----そう言えば宝くじを当てた事もあるとか?
これがまた当たったことをイメージしていたら、本当にその通りのストーリー展開で当たったんです(笑)。きっかけは、当時付き合っていた銀行の営業マンです。人間的に素晴らしい人で、気も合っていて。会社にも良くしてくれました。良い人に出会える時はツキのリズムに乗っているんですね。ある日その彼から「宝くじが残っているので買ってくれませんか」と頼まれました。聞けば20万円分とのことだったので、半分付き合うよと言うことで10万円買いました。ところが彼が帰る後姿を見た時に、何か気になったんです。それで残りも買うことにしました。そしたら500万円当たったんです。法律が変わる時で、株式会社は資本金を1千万円にしなければならなかったので、200万円をそれに充てて、残りを皆で分けました。ツキのリズムを実感しましたね。ダメな時はどんなに頑張ってもうまく行かないし、変な人と出会ったりするものです(笑)。ですから、ツキを呼び込むには幸運を独り占めしてはいけない、と考えたんです。

----バブルがはじけた時は大丈夫だったんですか?
バブルがはじけて借金だけが残る。良くある話ですが、私の場合も例外ではありませんでした。マーフィーの法則だけでバブルの後半まで成功したような感じですね。自社ビルが一時、15億円ぐらいまで上がりましたが、一気に下がり始めました。とにかく借金を返すために何とかしなくてはと、自社ビルを売りに出したんです。8億で売れました。売れるまでは眠れない日が続いて、顔つきも病気じゃないかなんて言われるぐらいひどかったです。私は、いつでもそうなのですが、節目節目で誰かが助け舟を出してくれるんです。その時も偶然のめぐり合いで知り合った人が買ってくれました。それで救われましたね。でも身内からは調子に乗っているから足元をすくわれたとか悪口を言われて信用をなくしました。しょうがないですけれどね(笑)。

----でも、見事に復活されました。
マーフィーの法則と出会って、大きなチーズをもらって、殆ど苦労無しに仕事をしてきた感じです。たまたま良いリズムに乗って、良い出会いが続いた。もちろん悪いリズムの時もありましたが、何とか乗り切れたんです。でも、バブルがはじけてからは、本当に苦しい時期を経験しました。それから真剣に物事を考えて働き始めたということでしょうか。ツキのリズムも研究し始めました。ビジネスの世界はアマチュア野球ではなくプロ野球の世界です。性格が良くても実力や実績の無い人は相手にされません。運も実力と言いますが、運を引き寄せるリズムや出会いは消極的な考えでは回ってきませんよね。納得のできる仕事、規模や利益ではなくて、自分で「オレはプロの仕事をしたんだ」と納得できるような仕事をしたいといつも考えています。ただ商売で金儲けになるからだけでは、やっぱりつまらないですから。そのためにも現場を動き回るのが一番です。たくさんの人と会って話をしていると、自分が活き活きしてきます。



●中学の時から俳句や川柳を詠んでいたので、自分の考えを具体的に絵でイメージすることが自然に身についていたのかもしれません。
----株式会社ハヤシは営業の会社でありメーカーでもありますね。
そうですね。両方です。私は人と会うのが好きで、話の中からビジネスのきっかけを作り出していくタイプです。で、それを具体的なカタチ、商品だったりシステムだったりしますが、作り出していくわけです。私の基本は、困っている人がいたら、その人のために何んとか役に立ちたい、助けてあげたい、ということです。もし自分でできなければ、人脈を使ってできる人を紹介していく。どんな仕事でも同じだと思います。今まで右脳タイプ(直感型)だと思っていたんですが、ある人に左脳(理論型)を訓練した方が良いと言われたもので、少しずつですが努力をしています。夢、欲望は感情的、直感的に、計画を練る時はクールに知性のレベルできっちりやる。車の両輪みたいなものですね。両方のバランスが良ければ、もっと違った世界が広がっていきますから。

----夢や欲望を具体的にイメージするための訓練は?
私は中学生の頃から俳句や川柳に興味があって、結構詠んでいました。ご存知のように俳句には季語を入れなければいけないので、少し難しいのですが、川柳はもっと気軽に詠めるので、どんどん好きになっていきましたね。浮かぶんです。頭の中にイメージというか情景が・・・。ですからマーフィーの法則に出会ったときも自然に理解できたのかもしれませんね。特に訓練を積んでということは全くありません。自分でも楽しむのですが、人に聞いてもらって喜んでもらうと、それが嬉しくてね。人に喜んでもらったり、褒めてもらうと、ますます頑張っちゃう(笑)。肩の力を抜いて、自然流で頑張れる時が一番良い状態です。人と会う時も変に力んだり、特別な話題を考えたりはしませんね。ありのまま、感じたままの気持ちを素直に出して。ずっとそうして人と接してきました。

----これから計画されていることについてお聞かせください。
もっともっと色々な人に会って話を聞きたいですね。ビジネスのヒントは現場を知ることでどんどん湧いてきます。私は、営業で動き回っている時が一番良い顔をしているようです。やっぱり好きなことなので、ハツラツとしているんでしょうね。それと商品を売り込むのはもちろん必要ですが、「うちではこんなに面白い社員がこんな仕事をやってるんです」と言うように人を紹介する、人を通して仕事内容をアピールする方が、私には向いているようです。動物占いで動き回るトラですから、もっと動き回ってたくさん新しい物を見たり知ったり。これからも、ますます積極的に生きていきたいと考えています。



■川柳についてちょっと・・・・

川柳が大好きで、自分で作ったり集めたりしています。特に変な川柳、バカバカしくて面白いのが良いと思っています。昔、真面目な俳句をやっていたせいでしょうか・・・。

・うまい酒 灘の酒より ただの酒
・飲みすぎて 今夜は泊めてと 妻が云う
・腹が出た 貫禄が出た 糖が出た 
・人柄が にじみ出ている 悪い顔
・露天風呂 バアちゃん去って またバアちゃん
・朝起きて 窓を開けたら 江戸時代
・あら不思議 怒りが消えた お金見て
・清く正しく 生きるつもりは ありません
・人生に 意味などないよ 飲みたまえ



 林 征一郎プロフィール
早稲田大学卒業、山一證券に入社。退職後アメリカに渡り、本格的なカード社会の到来を実感する。1983年、株式会社ハヤシを設立。カードを利用した顧客管理システムを軸にさまざまなアイデアで幅広いビジネスを展開している。動物占いは、動き回るトラ。