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株式会社ワイプル 代表取締役  横山直己さん
若い頃から旅に憧れて、それを趣味にしてきた横山さん。IT業界の長年の経験と旅に対する情熱をもって3年前に旅行会社を設立し独立。中国・米国をはじめとする企業向けの視察旅行や個人向けの提案型旅行を企画するなど、新しいスタイルでの旅行ビジネスを展開している。ITと旅行の融合を目指す横山さんにお話を伺いました。



●趣味と実益を兼ねた旅行業です(笑)。ITを上手に絡めた旅行サービスを展開していきたいと考えています。
----今までの経歴から随分大きく転身されましたね。
そうですか?私には、自然な流れなんですけれど(笑)。子供の頃から旅が好きで、機会を見つけては各地を飛び回っていました。基本的には一人旅なんです。旅行や旅はよく「一番贅沢な遊び」と言われています。何をするにもそうですが、これはかなり時間とお金を要しますからね。もちろん、安く近い所へというのもありますけれど。IT業界で仕事をしていた時に、インターネット活用によるホテル予約システムを考えたことがあるんです。過去の宿泊の予約は、旅行代理店や地元の紹介センターみたいな所を通しての予約なのですが、インターネットを利用して一目瞭然に空き部屋が解り、さらにすぐ予約ができるシステムを開発しようとしました。現在は当たり前のように行なわれていますが、当時としては画期的な考え方でした。




----ご自分の趣味と経験を生かした企画ですね。実現したのですか?
それが市場的には、時期尚早だったようです。ましてや旅行業界を飛び越えた企画でしたし、ホテルや旅館も旅行代理店に任せるのが当たり前の文化でした。上司や会社に対してかなり積極的にプレゼンしたのですが、まだ、スポンサーとかユーザーが不明の状況なので実現しませんでした。でも、その頃からいつかはという気持ちが少しずつ芽生えていたのかもしれません。ITと旅行というのが頭から離れなくなって(笑)。いつでも旅行者側に立った、さまざまなビジネスモデルを考えるようになりました。たぶん私の中では、自然に旅行会社を設立し独立したいという気持ちが育っていったんですね。

----テーマを絞って業界向けの視察研修旅行を企画しているそうですが・・・。
はい。現在はアパレル業界に特化した視察研修旅行を実施しています。大手旅行代理店での視察旅行では展示会場に連れて行って、後はご自由にどうぞという感じです。しかし私たちワイプルでは、実際に企業訪問をし、担当者を紹介し、あるいは、コンファレンスの場を設定した、具体的な説明を受けることができるようにコーディネートしていきます。企業にとって実のある視察旅行ができるわけです。特に中国に力を入れています。人件費が安くスピードがある。本当にそうなのか?実際に現場を見ないとわかりませんよね。そして国内と比較してどのようなメリット、デメリットがあるかをしっかりと検討していただく。それが本来の視察研修旅行なんです。



●誰でもが気軽に立ち寄れるトラベルカフェのような店舗が理想です。お客さま同士でも情報交換ができるような。
----一般の人が利用する旅行についてはいかがでしょう?
曜日や時間にとらわれずに、既存の旅行会社にはない旅行の情報や相談ができるサービス環境を作っていくことが重要だと考えています。サラリーマンやOLの人たちは、夕方から夜にかけてしか自分の時間が持てません。それと「へェーこんなツアーがあるんだ!」というぐらい品揃えを豊富にしていきます。これらを実現していくためにもITの活用が重要です。上手く利用していきたいですね。これから本格的なシステムを構築していきます。それと仕事をリタイヤして、自分の時間をゆっくり楽しもうとしている人たちやITはちょっと苦手なのでという人でも、気軽に来店してもらえるような店舗も作っていきます。

----ラウンジやサロンのような感じですか?
そうです。現在はどこの店舗もカウンターがあって隔たりを感じますよね。もっと身近で親しみやすい雰囲気で相談できたら、お客さまの要望に沿った旅行が実現するはずです。他業種とコラボレートした店舗も企画しています。ただ喫茶店の併設のようなものではなく、例えば輸入雑貨を見ながら旅行のイメージを膨らませてもらえるような。何となく入ってみようかなと思う雰囲気の店舗。旅行のウインドショッピングみたいな感じですね。衝動買いならぬ、衝動旅行みたいなものがあってもいいかなと思っています(笑)。

----横山さんは、いつもお客さまサイドに立って考えていますね。
私自身が旅行が好きですから、どうしてもそうなってしまいますね。お客さまの利便性を重視した顧客サービス、お客さまにとって便利で安心な旅行代理店でありたいと考えています。こういうサービスがあったら嬉しいなと思うことを実現していくことで、ワイプルの独自性を追及していきます。どこを購入ポイントとして考えていくかが大切ですね。旅行はある程度の時間とお金に余裕がないと楽しめないでしょう?そういう環境にある人が気軽に相談してもらえる環境づくりをITも含めて考えています。



●私、引っ込み思案だったんですよ(笑)。でも旅行を通してさまざまな人との出会い、少しずつ変わっていきました。
----ユースホステルを利用してあちらこちらへ旅行されたんですね。
若い頃は、あそこへ行った、ここへ行ったことがあるというのが楽しくて、随分出かけて行きましたね。昔、自転車とユースホステルの組み合わせが流行りましたが、私はもっぱら電車やバスを利用していました。ミーティングなどの時間があって、情報交換の場になっていて、それなりに楽しかったです。もともと引っ込み思案で、はじめてあった人と話をするのが苦手だったのですが、そういう場に行くと、何となく心が開かれるような気がして。これも旅行の素晴らしいところかなと思うようになり、徐々にとけこんで積極的に話しに参加できるようになりました。

----そのような場の雰囲気が、先ほどお話があった店舗やITを使ったシステムに反映できるといいですね。
そうなんです!まさに旅行の情報ネットワークのように、みんなでさまざまな情報を交換できて、安心で安全な旅行ができればとても素晴らしいことです。一箇所だけへの旅行だったらディスカウントチケットの方が良い場合もありますし、あちらこちらへという旅行なら、詳しい人と相談しながらプランをたてる。たくさんの情報を収集できればそれだけ楽しい充実した旅行が実現していくわけですから。それとインターネットがこれだけ普及していますが、旅行の申込みをインターネット上から行なう人はほんの一握りなんです。情報はインターネットでも申込みは店舗や電話なんですね。インターネット店舗になれば24時間対応が可能で、そこをシステム化していくともっとちがったニーズが拾えるような気がしています。

----横山さんのビジネスの旅はこれからが本番ですね。
この3年間は、いままでの経験と将来の夢、ビジョンを上手く融合して具体的なプランを練る時期でした。今後は、先ほどお話したような店舗展開とインターネットを活用した情報収集や申込みがお客さまから見て、簡単で安心してできるようなシステム作りを進めていきます。そして、大手ではなかなか手をかけられないサービスを展開することで、ワイプルの独自性に磨きをかけて、一般の方にも企業の方にも実のある旅行を楽しんでいただこうと考えています。将来的にはネットワーク店舗が可能となれば、特に地方の顧客サービスが充実し、ワイプルネットワークは物理的に地方にも店舗を広げグループ化して「のれんわけ」し、地方のお客さまへ販路拡大します。そのようなネットワークサービスを展開したいと考えてます。



 横山直己プロフィール
大学時代は経営工学を専攻。卒業後TIS(東洋情報システム)に入社、システム開発、システム営業を経験する。在職中IPA(情報処理振興事業協会)にも出向し、IT情報促進化事業に携わり、退職後旅行会社を設立。動物占いは無邪気なひつじ、束縛嫌いの自由人。